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みぞおちや胃の左側が痛い!症状から疑われる病気を解説します

胃の左側が痛い

みなさんは、急にみぞおちや胃の左側が痛くなったことはありますか?

その原因には、生活習慣病気など様々なことが考えられ、簡単には判断できません。

「ただのストレスだろう」「少し食べ過ぎただけ」など、深刻にとらえていない方も多いかもしれませんが、放置すると重篤な病気につながることもあります。

本稿ではみぞおち痛・胃痛の原因や治療方法・予防の仕方などを解説していきます。

体からの大切なサインを見逃すことなく、健康に過ごせるようしっかり自分の体と向き合いましょう。

みぞおち痛や胃の左側の痛みの症状から疑われる病気・原因

みぞおち痛や胃の左側の痛みの症状から疑われる病気・原因

みぞおちはどこにありますか?
みぞおちは、おなかの上の真ん中あたりにあるくぼんだところを指します。鳩尾(きゅうび)や水月(すいげつ)・心窩(しんか、しんわ)とも呼ばれることもあります。
みぞおち痛から疑われる病気を教えてください。
みぞおちが痛い際、考えられる病気としては次のようなものがあります。

  • 逆流性食道炎
  • 急性胃炎
  • 慢性胃炎
  • 胆のう炎
  • 十二指腸潰瘍
  • 感染性腸炎
  • 虫垂炎
  • 胆石症
  • 急性膵炎
  • 心筋梗塞

消化器官に関する病気が多いですが、場合によっては肺炎や心筋梗塞でもみぞおち痛が起こります。早急に受診した方がよいケースもありますので、注意が必要です。

みぞおち痛の原因を教えてください。
みぞおちが痛む原因は大きく2つあります。1つめは、食事や生活習慣です。暴飲暴食や油分・タンパク質・香辛料・カフェインなどの過剰摂取などで胃の粘膜がただれ、みぞおちのキリキリとした痛みを引き起こすことがあります。
また、アルコールの摂取や喫煙などが原因の場合もあります。2つめは、ストレスです。ストレスは自律神経を乱すため、胃酸の分泌が盛んになる・血流が悪くなる・胃粘液の分泌量低下を招くなどの理由で、胃の粘膜が傷つきやすくなります。
それによって胃に炎症や潰瘍が生じやすくなり、みぞおちにまで痛みが生じるのです。ストレスには精神的なもの以外にも、疲労や睡眠不足・適切でない気温や湿度なども含まれるため、心身ともに快適な環境で過ごすことが重要です。
胃の左側が痛む場合に疑われる病気を教えてください。
胃の左側が痛む際、考えられる病気としては次のようなものがあります。

  • 急性胃炎
  • 慢性胃炎
  • 逆流性食道炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 機能性ディスペプシア

胃痛を起こす病気には様々なものがあり、深刻な病気でも軽い症状しか出ない場合があります。症状が続くようなら、受診を考えることも必要です。

胃の左側が痛む原因を教えてください。
胃の左側が痛みには、大きく3つほど原因が考えられます。1つめは食生活です。暴飲暴食をしたり消化しにくいものを大量に摂取したりすることで、胃酸の分泌が多くなり、胃の粘膜を傷つけてしまい胃痛が起こります。
同様に、唐辛子のような刺激の強い香辛料やアルコールなどの大量摂取も胃痛を引き起こします。2つめはストレスです。みぞおち痛の項でも述べましたが、消化器官の機能は自律神経がコントロールしているため強いストレスで自律神経が乱れ、胃酸が過剰分泌されてしまいます。
その結果、胃酸が粘膜を傷つけ痛みが起こります。3つめはピロリ菌です。ピロリ菌は幼少時(5歳くらいまで)に感染し、長期間感染し続けることで慢性胃炎を引き起こし、胃痛の原因となります。

みぞおち痛・胃痛の検査や治療方法

みぞおち痛・胃痛の検査や治療方法

みぞおち痛・胃痛のときはどのような検査が行われますか?
まずは症状を丁寧にヒアリングし、そのうえで必要な検査を判断します。検査内容は、血液検査胃カメラ検査腹部超音波検査などです。血液検査では、炎症反応の数値や、他の臓器の異常がないか・貧血の有無を調べます。
胃カメラ検査では、先端に小さなカメラが付いた内視鏡スコープを鼻もしくは口から入れ、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察します。そのため、詳細な情報が入手でき、様々な病気の早期発見が可能です。腹部超音波検査(腹部エコー)は、胆石や膵炎の可能性を調べるために行うことがあります。
みぞおち痛・胃痛の治療方法を教えてください。
胃痛やみぞおち痛の原因によって、治療方法は変わってきます。例えば、検査の結果慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となりうるピロリ菌に感染していた場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。
これにより、胃痛の再発を防止することが可能です。また、逆流性食道炎など胃酸の過剰分泌が起こる病気の場合は、胃酸分泌抑制薬などを処方して症状の緩和をねらう薬物療法をとることもあります。

みぞおち痛や胃痛の対処法や予防法

みぞおち痛や胃痛の対処法や予防法

急にみぞおちや胃が痛くなったらどのように対処すればよいですか?
急にみぞおちや胃が痛くなった場合、急性胃炎の可能性があります。急性胃炎の際には、まずは胃への負担を減らして十分に休ませる必要があります。そのため、水分の摂取は必要最低限にして、食事はとらないようにしましょう。
症状が出てから2〜3日は食事をやめ、その後はスープやおかゆ・豆腐など柔らかく胃にやさしいものを少しずつ食べるようにして、様子を見ながら徐々に元の食事に戻します。
薬局などで手に入る市販薬には胃痛・胃もたれを軽減できるものもあるので、それらを利用するのもよいでしょう。その際、ストレスからくる胃痛の際には神経性胃炎に効くものを選ぶなど、効能をよく見て購入することが大切です。
また、痛みが治まらないときや、我慢できないほどの激痛があるときには病院を受診しましょう。慢性的な症状や激痛は、深刻な病気によって引き起こされている場合があるためです。
みぞおち痛・胃痛の予防方法を教えてください。
みぞおち痛・胃痛を予防する方法はいくつかありますが、ここでは3つほどご紹介します。まず1つめは、深呼吸をして自律神経を整えることです。
今まで述べてきた通り自律神経の乱れによって胃痛やみぞおち痛が起きることも多いので、深呼吸をしてリラックスし、自律神経のバランスを整えましょう。息を吸うときにはおへその下を意識し、ゆっくりと鼻から息を吸って口から吐きます。1日に数回行うと効果的です。ストレスの軽減にもつながるので、日常的な習慣にするとよいでしょう。2つめは、食後にしっかりと休憩をとることです。
食後にすぐ動くと、消化に必要な血液を手足の運動に使ってしまうため、十分に消化ができなくなります。だからといって、食後にすぐ横になるのも逆流性食道炎の原因となるのでおすすめできません。食後は、リラックスできる姿勢でしばらくゆっくりし、消化を妨げないようにしましょう。3つめは、ストレスの解消です。
ストレスによって自律神経が乱れ、胃痛につながるケースがあるので、なるべくストレスを溜めないようにする・ストレスを感じたらその都度解消することが大切です。以下に一般的なストレス解消方法を挙げるので、参考にしてみてください。

  • 睡眠を十分にとる
  • 適度な運動をする
  • 誰かと話をする
  • 趣味を楽しむ
  • 瞑想をする
  • 五感を使う
食生活で注意することはありますか?
胃は消化に直結する器官であるため、毎日の食生活は胃痛・みぞおち痛の予防に大変重要です。規則正しく刺激物の少ない食事を心がけましょう。三食きちんと決まった時間に食べ、腹八分目に留めることが大切です。朝ご飯を抜いたり、遅い時間に夜食をとったりするのも禁物です。
脂っこいものや脂肪分が多い食事はなるべく避け、食べる場合も過剰摂取しないよう気を付けてください。アルコールもできるだけ控えましょう。また、食べ物や飲み物の鮮度にも気を配りましょう。
食あたりが増える時期は食品の鮮度を保ち、加工する際にはしっかり火を通すと安心です。さらに、まな板や包丁などの調理器具を除菌して清潔にすることも欠かせません。

編集部まとめ

食事

胃痛・みぞおち痛は、自律神経のバランス崩壊や、ピロリ菌による症状です。

ストレスや食生活の乱れにより自律神経のバランスが崩れ、胃酸が過剰分泌されたり、ピロリ菌という細菌が胃の粘膜を傷つけたりして痛みを引き起こします。

症状を予防するには、自律神経を整える・食生活に気を付ける・ストレスを溜めないようにするといったことが重要です。

規則正しく、刺激物やアルコールを控えた生活を心がけ、胃痛・みぞおち痛を予防・改善しましょう。

慢性的な痛みが続くようなら、一度病院を受診することも考えてみてはいかがでしょうか。

参考文献

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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