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粉瘤の治療はどのような方法があるの?粉瘤の手術内容や費用について解説!

粉瘤の治療はどのような方法があるの?

粉瘤の治療にはどのような方法があるのでしょうか? 本記事では、粉瘤治療について以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそも粉瘤とは
  • 粉瘤の根本治療
  • 粉瘤手術の注意点

粉瘤治療について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも粉瘤とは

そもそも粉瘤とは

粉瘤は、皮膚の下に形成される袋状の構造物で、その中に古い角質や皮脂などの老廃物が溜まる良性の腫瘍です。この袋状の構造物は皮膚の毛穴の入り口部分に形成されます。粉瘤は半球状の腫瘤で、中央に黒点状の開口部を伴います。強く圧迫するとこの開口部から臭くてドロドロした物質が排出されることがあります。また、粉瘤は感染すると炎症を起し、膿が溜まった状態(膿瘍)になり患部が赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。

粉瘤の根本治療は手術

粉瘤の根本治療は手術

粉瘤は、自然治癒することはありません。粉瘤の根本的な治療法は外科手術となります。手術を選択しないと、粉瘤は数年で大きくなり、手術が必要となります。また、早い段階で手術を行うことで、手術の傷が小さくなるため、患者さんの負担を軽減できます。手術の際には、悪性の可能性は低いですが、病名を確認するためにも摘出して病理検査を行うことが重要です。粉瘤の治療は皮膚科や形成外科で行われ、手術を勧めない医師もいますが、これは大きな間違いです。

紡錘形切除法

紡錘形切除法

ここでは、紡錘形切除法について詳しく解説していきます。

手術内容

紡錘形切除法は、粉瘤を切除し、嚢腫壁を取り出す手術法です。この手術は、粉瘤全体をメスで紡錘形に切り取るため、粉瘤と同じサイズの傷跡が残ることがあります。この手術法は、炎症を起こしていない粉瘤に対して行われます。特に、人から見えにくい部位や、傷跡が残っても問題ない部位の粉瘤に対してよく用いられます。手術日は受診当日に計画され、後日手術が行われます。手術の流れとしては、まずレントゲンや超音波検査機を用いて粉瘤の状態を確認します。その後、患部に麻酔し、メスで粉瘤を切り取り、最後に傷口を縫合します。また、手術後1週間で抜糸を行います。手術後のケアとして、抜糸後にテーピングなどが指導されます。粉瘤の部位や大きさにより、術後ケアは異なります。

メリット、デメリット

まず、メリットとしては、嚢腫壁をきれいに切り取れる・再発リスクが低いという点が挙げられます。また、大きな粉瘤も切除できることが多いです。これらの理由から、この手術方法は多く使用されています。一方、デメリットとしては、炎症を起こしている粉瘤には使用できないという制限があります。また、手術後に抜糸が必要となります。

費用

紡錘形切除法の費用は粉瘤の部位と大きさにより異なります。保険適用の場合、患者さんは手術費用の3割を負担します。例えば、露出部(頭、顔、首、肘から先、膝から下)の2cm未満の粉瘤の手術は、約5,300〜5,900円が患者さんの負担となります。一方、露出部以外の3cm未満の粉瘤の手術では、約4,100~4,800円が患者さんの負担となります。これらの費用は、初診料、再診料、処方料、薬剤料などが加算された後のものです。また、診療報酬の改定により、これらの金額は変動する可能性があります。具体的な費用は医療機関に直接ご確認ください。以上の情報は目安としてご利用ください。

くり抜き法

くり抜き法

くり抜き法とはどのような治療法なのでしょうか?
以下で詳しく見ていきましょう。

手術内容

くり抜き法は、特に小さな粉瘤や人目につく部位の治療に適しています。この手術では、粉瘤の中心に特殊な器具を用いて穴を開け、その穴から粉瘤の中身を取り出します。この方法の利点は、傷口が小さく、2ミリから5ミリ程度の傷しか残らないため、縫合の必要がほとんどないことです。手術中は局所麻酔が施され、消毒作業を経て手術は終了します。ただし、皮膚が元の状態に戻るまでの間は通院が必要となります。

メリット、デメリット

くり抜き法のメリットとしては、手術時間が短く、傷跡が小さいことが挙げられます。また、炎症が起こっていても治療ができるため、早期治療が求められる場合にも適しています。一方、デメリットとしては、大きな粉瘤には適用できないことがあります。粉瘤が大きくなると、くり抜き法での治療が難しくなり、嚢腫壁の取り残しが発生しやすくなります。これにより、再発のリスクが高まる可能性があります。また、治療後の自己ケアが不十分だと感染のリスクがあり、傷跡が引きつることもあります。したがって、大きな粉瘤の場合は、他の治療法を検討することが推奨されます。

費用

くり抜き法の手術費用は、粉瘤の大きさや部位により異なります。また、保険適用されるため、患者さんは全体の3割を負担します。露出している部分の粉瘤で、直径が2cm未満の場合、費用は約5,300〜9,990円です。直径が2cmから4cm未満の場合は約11,500〜16,000円、4cm以上の場合は約13,500〜18,000円となります。露出していない部分の粉瘤では、直径が3cm未満の場合は約4,200〜8,900円、3cmから6cm未満の場合は約10,000〜15,000円、6cm以上の場合は約13,000〜17,500円となります。これらの費用は、病理検査やエコー検査により変動することがあります。

レーザー治療

レーザー治療

以下では、レーザー治療について詳しく解説していきます。

手術内容

レーザー治療法は、イボやシミ、ほくろの除去にも使用され、粉瘤の大きさや炎症の有無に関係なく適用できます。特に、傷跡を目立たないようにしたい場所、例えば顔や首などに適しています。レーザー治療は約20〜30分程度で終わりますが、手術後も経過観察のために数回通院する必要があります。また、治癒するまで、日常的にガーゼをつける必要があります。

メリット、デメリット

レーザー治療は、粉瘤が大きくなりすぎても治療が行える上に、傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。しかし、その一方で、費用が高く、準備にも時間がかかるというデメリットも存在します。これに対して、くり抜き法は手術時間が短く、費用も安価であるため、多くの場合はこちらが推奨されます。ただし、レーザー治療はほくろやイボの除去にも使用され、傷跡がほとんど残らないため、美容面を重視する方にはおすすめの治療法と言えます。

費用

粉瘤の大きさによって治療費用は異なります。1センチ前後の粉瘤の場合、治療費用は約7,500〜8,500円となります。一方、1センチ以上の粉瘤の場合、治療費用は約15,000円まで上がることがあります。これらの費用はあくまで目安であり、実際の費用はクリニックや症状により異なる場合があります。

粉瘤の手術の注意点

粉瘤の手術の注意点

粉瘤手術を受ける際にはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
以下で詳しく解説します。

運動や飲食

手術を受ける際、特に注意が必要なのが飲酒と運動です。飲酒と運動は、血行を良くするため、手術部位の再出血を引き起こす可能性があります。そのため、手術当日と翌日は、飲酒や激しい運動は避け、体を休めることが大切です。健康を維持するためには適度な運動や飲食が重要ですが、手術が必要な時期にはこれらを控えましょう。

シャワーや入浴

治療を受けた当日は、出血のリスクを考慮して、入浴は避けることが推奨されます。しかし、翌日からはシャワーを浴びても大丈夫です。一方、入浴や温泉、プールなどは、傷が上皮化(新しい皮膚が形成されること)するまで控えることが必要です。これは、傷口に直接的な水圧を与え、また湿った環境が感染症のリスクを高める可能性があるからです。

再発のリスク

粉瘤の再発リスクは、その摘出方法とタイミングに大きく関連しています。炎症が起こっている時期に摘出を試みると、嚢胞の特定が難しくなり、再発の可能性が高まることがあります。そのため、まずは炎症の治療を行い、感染が落ち着いた段階で根治的な摘出術を行うことが推奨されます。これにより、再発はほとんど防げます。しかし、炎症を繰り返している粉瘤の場合、摘出後に新たな粉瘤が発生することもあります。これは、粉瘤の病片が周囲に残ってしまうためです。そのため、炎症が起きていない早い段階での摘出が重要となります。

粉瘤の手術以外の治療法

粉瘤の手術以外の治療法

根本的な治療は手術が必要ですが、炎症を抑えるための治療法も存在しています。
以下で詳しく見ていきましょう。

注射器で中身を抜く

これは、特に切開が困難な場合や炎症が軽度の場合に適用されます。具体的には、医師が注射器を使用して炎症部位の中の液体や膿を吸引します。これにより、炎症を引き起こしている物質が体外に排出されるため、痛みや腫れが軽減されます。ただし、この治療による改善は一時的なものであり、原因となる病状に対する根本的な治療を行うためには手術が必要となります。

抗生剤の内服

粉瘤の治療としては、手術が行われますが、袋の中に細菌が入り、炎症を起こした場合は抗生剤の内服が必要となります。具体的には、局所麻酔をした上で、表面の皮膚を少し切り、膿を外に出し、抗生剤を投与します。ただし、この方法では再発の可能性があるため、炎症が治った後に手術を行うことが推奨されます。

まとめ

まとめ

ここまで粉瘤治療についてお伝えしてきました。 粉瘤治療の要点をまとめると以下の通りです。

  • 粉瘤は、皮膚の下に形成される袋状の構造物で、その中に古い角質や皮脂などの老廃物が溜まる良性の腫瘍
  • 粉瘤の根本的な治療法は外科手術
  • 再出血を引き起こす可能性があるため手術当日と翌日は、飲酒や激しい運動は避ける

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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