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痔瘻には前兆がある?肛門周囲膿瘍について徹底解説!

痔瘻 前兆

痔瘻とは、直腸と肛門周辺の皮膚がつながり、トンネル状の穴ができる痔の一種です。痔瘻は男性に多く、30〜40代で発症しやすいとされています。痔瘻の初期症状はほとんどありませんが、放置すると腫れや痛みが起こり、最悪の場合はがんに発展することもあります。そのため、早期発見が重要です。
本記事では、痔瘻の前兆について以下の点を中心にご紹介します!

  • 痔瘻の症状
  • 痔瘻の前兆:肛門周囲膿瘍について
  • 肛門周囲膿瘍の治療について

痔瘻の前兆について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

痔瘻の症状

痔瘻の症状

痔瘻の初期段階ではどのような症状が見られますか?
痔瘻は初期ではあまり症状を示さないことが多いようです。そのため、この段階では自覚症状がほぼ無いため、発見が難しくなります。しかし、肛門周辺に軽度の痛みやかゆみ、微小なしこりが生じることがあり、これらは痔瘻が形成されつつある前兆かもしれません。

このように痔瘻は、早期発見は難しいものの、肛門に不快感や異常を感じたら、速やかに医師に相談することが重要です。痔瘻が形成される前に治療を開始することで、症状の悪化や合併症のリスクを減らせるでしょう。

痔瘻が進行するとどのような症状が見られますか?
病状が進むと肛門周辺の膿瘍形成により、強い痛みや腫れ、そして赤みが顕著になります。特に、膿が肛門周囲の皮膚を突き破り外部に排出される段階になると、膿の排出が続くことで下着が汚れたり不快感を感じたり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。さらに、さらに痔瘻の進行が進むと、膿の持続的な排出により慢性的な炎症が続き、場合によっては全身症状としての発熱や体のだるさを引き起こすこともあります。このように、痔瘻は進行するにつれて日々の生活に大きな影響を及ぼすため、早期の発見と適切な治療が重要です。

痔瘻の前兆:肛門周囲膿瘍について

痔瘻の前兆:肛門周囲膿瘍について

肛門周囲膿瘍とは何ですか?
肛門周囲膿瘍とは、細菌が肛門近くの小さな穴を通じて侵入し、肛門の周辺組織で感染を起こして膿を形成する状態のことです。主に下痢便などに含まれる細菌が肛門腺に入り込むことにより発生し、局所的に膿が溜まることで炎症が起こります。この膿瘍は放置することで自然に破裂し、膿が外へ排出されることもあります。
しかし、その過程で、膿瘍が破れることによる痛みや不快感、さらには膿の排出による衛生的な問題も発生します。また、単純な細菌感染だけでなく、切れ痔、クローン病、結核、HIV感染、膿皮症など、他の疾患によっても引き起こされることがあります。さらに肛門周囲膿瘍には生活習慣や体調の低下が関与しているそうです。特に、下痢や軟便、日常的な飲酒、疲労、温水便座の常用などが発症リスクを高めるとされています。
肛門周囲膿瘍が悪化すると痔瘻になりますか?
肛門周囲膿瘍の主な治療法は、膿を切開して排出することです。膿が排出されると、痛みは大幅に軽減されるそうです。肛門周囲膿瘍を繰り返し発症すると痔瘻に発展することがあります。痔瘻は、肛門周囲膿瘍が悪化し、慢性化することによって形成されます。
具体的には、膿瘍が破裂し皮膚から膿が排出された後、膿の排出路が管(瘻管)として残り、肛門内外をつなぐ通路が形成される状態を指します。痔瘻になると、痛みや腫れはもちろん、38〜39℃の発熱や下着の汚れなどの症状が見られます。さらには痔瘻がんという重大な疾患へと発展する可能性もあります。したがって、肛門に違和感や腫れ、痛みを感じたら、早期に医師の診断を受けることが重要です。また、痔瘻の疑いがある場合や、肛門周囲膿瘍が何度も再発する場合は、早めの治療が必要であり、医療機関への相談が推奨されます。
肛門周囲膿瘍の原因を教えてください
肛門周囲膿瘍は、肛門部における細菌感染によって発生する疾患です。主な原因は、肛門内の歯状線に隣接する小さなくぼみ、いわゆる肛門腺窩へ便が侵入し、感染が起こることにあります。健康な人では、便が肛門腺窩に入り込んだとしても、通常は細菌感染を引き起こすことは少ないのですが、免疫力が低下している時期には感染しやすくなります。特に下痢や軟便が続いている場合、肛門腺窩への便の侵入が容易になり、感染リスクが高まるとされています。これは、液状の便が肛門腺に容易に入り込むことで、細菌が繁殖しやすい環境を作り出すためです。また、物理的な刺激や排便時に生じる微小な傷も、細菌感染の入り口となり得ます。

さらに、炎症性腸疾患、特にクローン病や膿皮症は、体の免疫システムや皮膚の状態に影響を及ぼし、細菌感染のリスクを高めるため、これらの疾患を患っている人は、肛門周囲膿瘍や痔瘻を発症しやすいことが知られています。したがって、肛門周囲膿瘍の予防には、免疫力を維持すること、下痢や軟便を長引かせないこと、そして適切な衛生管理が重要となります。

肛門周囲膿瘍の治療について

肛門周囲膿瘍の治療について

肛門周囲膿瘍は何科を受診すれば良いですか?
肛門周囲膿瘍を疑う症状がみられる場合は、消化器内科、特に肛門科や肛門外科を受診しましょう。肛門周囲膿瘍は放置するとさらに深刻な病状へと進行するリスクもあるため、初期の段階での受診が推奨されます。肛門科や肛門外科であれば、状態に応じた治療を受けられ、合併症のリスクを減らせるでしょう。
肛門周囲膿瘍は自然に治りますか?
肛門周囲膿瘍は、自然治癒は見込めず放置すると痛みや発熱などの症状が長引き、痔瘻へと進行するリスクがあります。また、膿が長期間溜まることで状態が悪化し、治療がより複雑になる恐れがあります。最悪の場合、がんを合併する可能性も指摘されています。そのため、初期段階での適切な治療が重要であり、自己判断での放置は避け、医師のアドバイスに従いましょう。
肛門周囲膿瘍の治療法を教えてください
肛門周囲膿瘍の治療は、症状の重さや膿瘍の広がりに応じて適切な方法が選ばれます。初期段階で、膿の量が少なく自然に排出されている場合、抗菌薬の内服による経過観察が行われることがあります。これにより、感染の拡大を防ぎ、症状の軽減を図ります。特に膿が自然に排出されず、痛みや腫れが顕著な場合は、手術による膿瘍の切開と膿の排出が行われます。この手術は、外来にて局所麻酔下で実施されますが、膿瘍の大きさや深さ、または患者さんの状態によっては、より高度な麻酔を伴う入院治療が必要になることもあります。
手術後は、膿瘍や切開部位の適切なケアが重要となり、時には抗菌薬の処方が続けられます。また、膿瘍が再発するリスクや手術部位から痔瘻が発生する可能性もあるため、手術後は定期的な経過観察が必要です。これらの治療を通じて、感染の拡大を防ぎ、患者さんの快適な日常生活への復帰を目指します。
肛門周囲膿瘍の治療後に気を付けた方が良いことはありますか?
肛門周囲膿瘍の治療を受けた後、回復に向けていくつか注意する点があります。まず、手術後は医師の指示に従って、抗生剤と消炎鎮痛剤を5日間服用しましょう。また、手術の翌日からは通常通り入浴できますが、患部を優しく洗い、刺激を避けることが大切です。
患部を清潔に保つことで、感染のリスクを減らし、治癒を促進します。さらに手術後の経過を観察するために、術後の通院は欠かせません。これにより、合併症や再発の早期発見ができるようになります。何か異変を感じた場合には、迷わず担当医に相談することが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで痔瘻の前兆についてお伝えしてきました。
痔瘻の前兆の要点をまとめると以下の通りです。

  • 痔瘻の進行が進むと、膿の持続的な排出により慢性的な炎症が続き、場合によっては全身症状としての発熱や体のだるさを引き起こすこともある
  • 肛門周囲膿瘍とは、細菌が肛門近くの小さな穴を通じて侵入し、肛門の周辺組織で感染を起こして膿を形成する状態
  • 肛門周囲膿瘍の治療は、症状の重さや膿瘍の広がりに応じて適切な方法が選ばれる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
勝木 将人医師(諏訪赤十字病院 こむぎの森 頭痛クリニック)

勝木 将人医師(諏訪赤十字病院 こむぎの森 頭痛クリニック)

2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

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