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痔核の症状は?原因や治療法・予防法など徹底解説!

痔核 症状

痔核とは、肛門や直腸の血管がうっ血して、こぶのように腫れる病気です。痔核は「いぼ痔」とも呼ばれ、痔瘻や裂肛と並んで肛門の3大疾患のひとつです。
本記事では、痔核の症状について以下の点を中心にご紹介します!

  • 内痔核の症状
  • 外痔核の症状
  • 痔核の予防法

痔核の症状について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

痔核について

痔核について

痔核とはどのような病気ですか?
痔核(じかく)、一般に「いぼ痔」とも呼ばれる病気で、肛門や直腸の血管がうっ血して腫れる状態を指します。この病気は、便秘や排便時の過度のいきみ、長時間同じ姿勢を保つことなどが原因で発症することがあります。

痔核は、内痔核と外痔核に分けられ、症状には出血、疼痛、脱出(肛門外に出る)、腫れ、かゆみ、粘液漏出などがありますが、内痔核では痛みを感じることは少ないです。治療法としては、生活習慣の改善、薬物療法、場合によっては硬化療法や手術が行われます。

痔核にはどのような種類がありますか?
痔核には「内痔核」と「外痔核」の2種類があります。内痔核は、肛門の内側、歯状線より上の部分にできる痔で、静脈叢のうっ血によって発生します。この部位には痛覚神経が少ないため、痛みを感じにくく、主に出血が主な症状として現れます。

一方、外痔核は肛門の外側、歯状線より下の皮膚部分にでき、こちらも静脈叢のうっ血が原因ですが、痛覚神経が存在するため、痛みを伴うことが多いようです。外痔核は、血栓ができると激しい痛みを引き起こすことがあります。

痔核はどのように検査・診断されますか?
痔核の検査と診断は、主に視診、指診、肛門鏡検査によって行われます。医師はまず問診を通じて症状の特徴や生活習慣などを詳しく聞き取ります。その後、肛門の外観を視診し、指診によって内部の状態を確認します。肛門鏡検査では、肛門内部と直腸の初期部分を直接観察し、痔核の有無や状態を詳しく調べます。医療機関の受診タイミングは、痔の症状を自己判断せず、繰り返す出血や痛み、脱出などの症状が見られる場合には、早期に医師の診察を受けることが推奨されます。

内痔核について

内痔核について

内痔核の原因を教えてください
内痔核は、肛門内の血管がうっ血して腫れることで発生します。主な原因は、便秘や下痢などの排便異常で、主に便秘による長時間のいきみが血管に圧力をかけ、うっ血を引き起こします。また、長時間同じ姿勢でいることや、妊娠・出産による腹圧の増加も影響します。デスクワークや長時間の座り仕事、生活習慣の乱れも内痔核を悪化させる要因とされています。これらの生活習慣により、肛門周辺の血行が悪くなり、肛門内のクッション機能がうっ血して腫れ、痔核が形成されます。
内痔核の症状を教えてください
内痔核は、肛門内部に発生する痔の一種で、主に出血を伴うことが特徴です。初期段階では痛みはほとんどなく、主に出血のみが見られます。しかし、病状が進行するにつれて、痛みや脱出(肛門からの突出)が発生することがあります。排便が終わると当初は自然に元に戻ることが多いのですが、徐々に手で押し戻さなければならなくなり、さらに進行すると常時脱出した状態になることもあります。

内痔核はGoligher分類で評価され、Ⅰ度は出血が主な症状で脱出しない状態、Ⅱ度は排便時に脱出するが排便後自然に戻る状態、Ⅲ度は脱出後手で押し込まないと戻らない状態、そしてⅣ度は排便と無関係に常時脱出している状態を指します。

内痔核の治療法にはどのようなものがありますか?
内痔核の治療法には、薬物療法、硬化療法、ゴム輪結紮術、手術があります。薬物療法では、外用薬や内服薬を使用して症状を緩和しますが、これによりいぼが完全になくなるわけではありません。硬化療法(例:ALTA療法)では、内痔核に硬化剤を注射し、痔核を縮小させます。ゴム輪結紮術は、内痔核の根元にゴム輪をかけて血流を遮断し、痔核を萎縮させる方法です。手術には、内痔核を直接切除する方法があり、より重度の場合に適用されます。

これらの治療法は、症状の重さや患者さんの状態に応じて選択されます。日帰りで行える治療もあれば、数日間の入院が必要な治療もあります。

外痔核について

外痔核について

外痔核の原因を教えてください
外痔核、特に血栓性外痔核は、肛門の静脈叢がうっ血して腫れ、その中に血栓が形成されることで発生します。主な原因には、便秘や下痢による排便時の過度のいきみ、長時間の座り仕事や立ち仕事、長距離の運転や飛行機移動などによる同じ姿勢の維持、重い物の持ち上げ、妊娠・出産、冷えなどがあります。

これらの状況は肛門付近の血流を悪化させ、血液が滞りやすくなり、最終的には血栓を形成してしまいます。血栓性外痔核は急に痛みを伴う腫れとして現れ、触ると硬いしこりとして感じられます。

外痔核の症状を教えてください
外痔核は、肛門の外側に形成される痔の一種で、主に肛門周囲の皮膚下に位置します。血栓性外痔核は、肛門周囲に急に硬いしこりができ、激しい痛みを伴うことが特徴です。この痛みはしばしば突然に発生し、しこりが皮膚を破ると出血することもあります。肛門周囲の血流を悪化させ、血液が滞りやすくなり、最終的には血栓を形成してしまいます。
外痔核の治療法にはどのようなものがありますか?
外痔核の治療法には、保存的治療と手術治療があります。保存的治療では、注入軟膏や内服薬を用いて痛みや腫れを和らげます。多くの場合、適切な治療で外痔核は自然に消失しますが、治癒までの期間は腫れの大きさや硬さによって異なり、小さく柔らかい場合は1週間以内、大きく硬い場合は1〜2ヶ月かかることもあります。痛みが強い場合や血栓が大きく腫れが引かない場合には、血栓を取り除く手術(血栓除去)が行われることもあります。この手術は、局所麻酔下で行われ、血栓を直接除去して症状の改善を図ります。しかし、内痔核の腫れも伴っている場合には、血栓除去を行うとさらに腫れたり出血が止まらなかったりするリスクがあるため、医師の適切な判断が必要です。

基本的に外痔核は、過労や不摂生が原因で発症することが多いため、発症後は安静にし、湯船につかって患部を温め、夜間は早めに横になってしっかり睡眠を取ることが早期回復につながります。適切な生活習慣の見直しと治療により、外痔核は改善されます。

痔核の予防法

痔核の予防法

正しい排便習慣を身につけることは、痔核の予防につながりますか?
正しい排便習慣を身につけることは、痔核の予防に役立ちます。痔核は、便秘や長時間の座り仕事など、肛門に負担がかかる生活習慣が原因で発生することが多いようです。便秘がちな人は、排便時に強くいきむことが多く、これが肛門部のうっ血や血行障害を引き起こし、痔核を形成する原因となります。また、硬くなった便が肛門を傷つけることで裂肛を引き起こすこともあります。

正しい排便習慣とは、排便時間を短く保ち、無理にいきまないこと、便秘を解消するために食生活を見直し、必要に応じて下剤を適切に使用することなどが含まれます。

また、肛門をリラックスさせることや、過度な温水洗浄便座の使用を避けること、アルコールの過剰摂取を控えることも重要です。これらの習慣を身につけることで、肛門への負担を減らし、痔核の予防につながります。

食生活の改善は、痔核の予防のために重要ですか?
食生活の改善は痔核の予防に重要です。なかでも、食物繊維の摂取は便通を良くし、腸内環境を整えることで痔核の予防に役立ちます。食物繊維は、便の量を増やし、柔らかくすることで、排便時の圧力を減らし、肛門への負担を軽減します。根菜類や果物、海藻類、豆類など、食物繊維を豊富に含む食材を積極的に取り入れることが推奨されます。また、ビタミンPが豊富な柑橘類は毛細血管を強化し、痔核の原因となるうっ血を防ぎます。乳製品に含まれる乳酸菌は腸内環境を整え、便秘や下痢を防ぎます。これらの食材を日常的に摂取することで、痔核の予防につながります。
生活習慣を整えることは、痔核の予防につながりますか?
生活習慣の改善は、痔核の予防に重要です。痔の主な原因は、便秘による過度のいきみ、長時間の座り仕事や立ち仕事、不適切な食生活など、日常生活のさまざまな習慣にあります。これらは肛門に負担をかけ、痔核の形成を促します。上述の排便習慣の改善や食生活の改善に加えて、以下のような生活習慣の見直しが推奨されます。
  • 適度な運動:定期的な運動は血行を促進し、便秘を防ぎます。腹筋や骨盤底筋を鍛える運動がおすすめです。
  • 正しい座り方・立ち方:長時間同じ姿勢を続けることは避け、定期的に体勢を変えることが大切です。適切な姿勢を保つことで、肛門への圧力を減らします。
  • 日常生活での注意点:冷えに注意し、暖かく保つことや、過度なストレスを避けることも痔の予防に繋がります。

これらの生活習慣の改善により、痔核の予防及び改善が期待できます。
日々の小さな心がけが、痔と無縁の健康的な生活を送るための鍵となります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで痔核の症状についてお伝えしてきました。
痔核の症状の要点をまとめると以下の通りです。

  • 内痔核は主に出血を伴うことが多く、初期段階では痛みはほとんどないが、病状が進行するにつれて、痛みや肛門からの脱出が発生する
  • 外痔核は肛門周囲に急に硬いしこりを自覚し、激しい痛みを伴うことが特徴であり、しこりが皮膚を破ると出血することもある
  • 排便習慣や食生活の改善、程度な運動、正しい座り方の実践は痔核の予防において重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
勝木 将人医師(諏訪赤十字病院 こむぎの森 頭痛クリニック)

勝木 将人医師(諏訪赤十字病院 こむぎの森 頭痛クリニック)

2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

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