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内視鏡(胃カメラ、消化器外科)

胃カメラ(胃内視鏡検査)が初めてで怖い方に|恐怖心を軽減できる鎮静剤使用についても解説!

胃カメラ 初めて 怖い

一般的に胃カメラとして知られる上部消化管内視鏡検査は、口または鼻から内視鏡を挿入して、食道・胃・十二指腸を観察する検査です。

初めて胃カメラを受ける人の中には、不安や恐怖心を感じる方もいるでしょう。

しかし現在では、鎮静剤を使用した内視鏡検査が一般的に行われています。鎮静剤の使用により、検査を半分眠ったような状態で受けることができます。

ここでは、胃カメラや鎮静剤について解説しますので、胃カメラを初めて受ける人はぜひ参考にしてください。

胃カメラの検査方法・鎮静剤を使用した検査

胃カメラの検査方法・鎮静剤を使用した検査

胃カメラはどのような手順で実施されますか?
胃カメラには口から内視鏡を挿入する経口内視鏡と、鼻から内視鏡を挿入する経鼻内視鏡の2つの方法があります。最初に、経口内視鏡の手順についてです。まず消泡剤入りの水を飲みます。
胃の中の泡を取り除いて、検査中に観察しやすくするためです。次に、局所麻酔を行います。スプレーやゼリー状のものを使用しますが、医療機関によって異なります。ゼリーの局所麻酔はすぐに飲み込まず、ゼリーを数分間喉に溜めておかなければなりません。スプレーの場合は数回噴霧するのみです。
必要であれば、胃の動きを抑える薬(ブスコパンなど)や、緊張や不安を和らげるための鎮静剤(ミダゾラムなど)を注射します。以上で前処置は終了です。検査台に上がり、左側を下にして横向きに寝ます。この際、ベルトやネクタイなど体を締めつけるものはできるだけ外して、リラックスしてください。
マウスピースをくわえ、口から内視鏡を挿入して検査が始まります。内視鏡は無理に飲み込まず、医師の指示に従って、軽く飲み込む程度にしましょう。検査中は唾液は飲み込まずに、口から外に出してください。また、げっぷは我慢してください。検査中は内視鏡が挿入されて話すことができませんので、手を挙げて合図をするようにしましょう。
次に、経鼻内視鏡の手順についてです。基本的な手技は、経口内視鏡と同じになります。まず、消泡剤入りの水を飲みます。胃の中の泡を取り除き、胃の中を観察しやすくするためです。次に、鼻の通りをよくするために、薬剤を点鼻もしくは噴霧します。鼻の中の局所麻酔は、スプレー又はスティックを用いて行います。
スティックを用いた局所麻酔の方法は、鼻腔内に麻酔薬を付着させたスティックを挿入し、直接塗布する方法です。場合によっては、喉に局所麻酔を追加する場合もあります。以上で前処置は終了です。検査台に上がって横になります。
この時、左側を下にして寝ます。経口内視鏡と同様に、ベルトやネクタイなどの体を締めつけるものは外して、リラックスしてください。鼻から内視鏡を挿入して、検査が始まります。げっぷはできるだけ我慢してください。経口内視鏡と比べると、経鼻内視鏡は嘔吐反射がほとんどありません。また、検査中に会話もできます。
胃カメラでは鎮静剤を使用できますか?
患者さんに侵襲のかかる内視鏡治療では鎮静が不可欠ですが、内視鏡検査においては必ずしも鎮静剤を使用する必要はありません。実際に6mm以下の細い内視鏡を使用したり、経鼻内視鏡を選択したりすることで、鎮静剤を使用しなくても内視鏡検査は実施可能です。
しかし、近年では苦痛の少ない内視鏡検査を希望する患者さんは増加しており、鎮静剤を使用した内視鏡検査が増えています。通常、喉を麻酔することで嘔吐反射を抑え、苦痛を和らげることが可能です。
しかし、それでもなお苦痛を感じることがあります。一般的に、内視鏡検査の目的で行われる鎮静は中等度鎮静で意識下鎮静と呼ばれ、問いかけや触覚刺激に対して反応することができる程度の鎮静です。鎮静薬を使用することで半分眠っているようなぼんやりした状態になり、緊張を和らげ、検査の不安・ストレス・苦痛などを軽減します。
鎮静剤の使用による副作用について教えてください。
経口内視鏡検査における鎮静剤の使用は、検査の不快感・不安の軽減につながっており、現在は鎮静剤を使用した胃カメラの頻度は増加傾向にあります。しかし、鎮静剤の使用には偶発的に生じる不都合な症状が発生する可能性があります。内視鏡検査で使用する鎮静剤は、主にベンゾジアゼピン系の薬剤を使用していることが多いです。
そのため、低酸素血症・血圧低下などが起こる可能性があります。検査中および検査後、患者さんの意識がはっきりするまでは、心電図・血圧・酸素飽和度のモニタリングをします。
また、酸素飽和度が低下する場合は、酸素を吸入しながら検査を実施することも可能です。

胃カメラで分かる疾患・検査について

胃カメラで分かる疾患・検査について

胃カメラで分かる疾患について教えてください。
胃カメラは、胸やけ・腹痛・食欲低下・貧血などの症状の原因を調べるために実施されます。胃カメラでは、食道・胃・十二指腸を観察し、これらの部位に発生するさまざまな疾患を診断することができます。
具体的には、悪性腫瘍・胃食道静脈瘤・びらん性逆流性食道炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・ポリープなどが胃カメラで分かる疾患です。
胃カメラ検査で治療を伴うケースについて教えてください。
以前までは手術でしか切除できなかった早期がんを、内視鏡を用いて切除できるようになりました。内視鏡による切除は手術と比較して痛みが少なく、身体への負担が軽減されるのが特徴です。
食道・胃・十二指腸に生じた早期がんに対して行われるポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。内視鏡検査に治療が伴う場合は、太さ約1cmの内視鏡を使用します。
そのため、経口内視鏡が選択され、細い内視鏡を用いる経鼻内視鏡では原則実施しません。また、内視鏡治療が伴う場合は検査にかかる時間長く患者さんの負担も大きいため、鎮静剤や鎮痛剤を使用して実施します。
胃カメラ検査の所要時間はどのくらいですか?
“胃カメラの検査自体は通常、10分程度で終了します。ただし、前処置にかかる時間も考慮すると、もう少し時間はかかると思っておくとよいでしょう。
また、鎮静剤を使用した場合は、検査終了後1~2時間程度(施設の指示に従ってください)の安静が必要です。鎮静剤を使用していない場合は、検査終了後の安静時間は必要ありません。
胃カメラ検査の費用について教えてください。
一般的に、胃カメラを保険診療(3割負担)で受けた場合、費用の相場は5,000円~15,000 円(税込)程度です。保険診療外で自費(10割負担)で受けた場合、費用の相場は20,000円~25,000円(税込)程度です。ただし、これらは胃カメラ検査のみの費用であり、鎮静剤の使用や病理検査などは別途費用がかかることがあります。
また、経口内視鏡か経鼻内視鏡かで費用は変わりません。

胃カメラ検査を受ける際の注意事項

胃カメラ検査を受ける際の注意事項

検査前日の注意事項について教えてください。
検査前日は、食事の制限を守れば通常通り過ごして問題ありません。以下に検査前日の注意事項をまとめました。

  • 前日の夕食後から禁食です。
  • 水などの水分は少量なら摂取しても問題ありません。
  • アルコールは控えてください。

医療機関から検査前の注意事項について説明があるので、基本的にはそちらの指示に従いましょう。ここに示しているのは、一般的な注意事項です。

検査当日に気をつけることはありますか?
検査当日は食事の制限や内服薬の指示をしっかり守ってください。スムーズな検査を受けるためにも、以下に示す注意点を守るようにしてください。

  • 前日の夕食後から検査終了まで禁食となるため、朝食を食べないように気をつけてください。
  • 検査当日は牛乳・ジュースなどは控え、水かお茶を少量飲むようにしましょう。
  • 内服薬については、担当の医師の指示に従ってください。
  • 服装は体を締め付けるものは避け、ゆったりとした服装にしてください。

検査を受ける医療機関から、当日の食事・内服薬については具体的な指示があるので、基本的にはそちらの指示に従ってください。ここに示している注意点は、胃カメラをする際に気をつけるべき、一般的な内容です。

検査後に注意すべきことについて教えてください。
検査後の注意事項について、以下にまとめました。

  • 鎮静剤を使用した場合は、検査後に車やバイクの運転はできません。他の交通手段で来院するようにしてください。
  • 喉の麻酔がかかっているため、検査終了後30分~1時間は飲食禁止です。上を向いてのうがいも避けてください。
  • インジゴカルミンという色素剤を用いて内視鏡検査を受けた場合、尿や便が青くなることがあります。一時的なものなので、心配する必要はありません。
  • 組織やポリープをとった方は、当日の激しい運動や入浴は避けてください。

検査後は、麻酔・鎮静剤・生検などの影響がでます。安静や飲食の指示は施設の指示に従ってください。
また、稀に出血・穿孔などの合併症が起こる可能性があります。検査終了後に吐き気・腹痛・貧血の症状・黒い便が続く場合は、病院に至急連絡をしてください。

編集部まとめ

医師

以前は胃カメラの検査に鎮静剤を使用することはほとんどなく、辛そう・苦しそうというイメージがありました。

しかし、現在は鎮静剤を使用して検査を行う医療機関が増え、患者さんの苦痛や不安はかなり軽減されています。

初めて検査を受ける方・嘔吐反射が出やすい方・以前の検査で苦しかった経験のある方は、鎮静剤の使用を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、鎮静剤の使用により低酸素血症や血圧低下などの偶発症が生じる可能性もあります。胃内視鏡検査において鎮静剤の使用は必須ではないため、検査前に医師とよく相談し、自身に合った治療法を選ぶことが重要です。

参考文献

この記事の監修歯科医師
甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

甲斐沼 孟医師(上場企業産業医)

平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) 上場企業産業医

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平成19年(2007年) 大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部医学科 卒業 平成21年(2009年) 大阪急性期総合医療センター 外科後期臨床研修医 平成22年(2010年) 大阪労災病院 心臓血管外科後期臨床研修医 平成24年(2012年) 国立病院機構大阪医療センター 心臓血管外科医員 平成25年(2013年) 大阪大学医学部附属病院 心臓血管外科非常勤医師 平成26年(2014年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医員 令和3年(2021年) 国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急科医長 令和5年(2023年) 上場企業産業医

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