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【背中にも粉瘤?!】粉瘤とは一体?自然に消える?粉瘤について徹底解説

粉瘤 背中

背中の粉瘤についてご存じですか? 本記事では、背中の粉瘤について以下の点を中心にご紹介します!

  • 背中にできた粉瘤の治療法
  • 背中の粉瘤と間違えやすい病気
  • 粉瘤の特徴

背中の粉瘤について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

背中にできた粉瘤の治療方法

背中にできた粉瘤の治療方法

粉瘤とは何ですか?
粉瘤とは、皮膚の毛穴や皮脂腺が詰まってできる小さなしこりのことです。粉瘤は、皮膚の表面に白いやわらかい塊が見えることが多く、触ると動くことがあります。粉瘤は、皮脂や角質が皮膚の中に溜まっているため、破れると白いカスが出てくることがあります。粉瘤は、痛みや炎症を起こさないとされています。しかし、粉瘤が大きくなることや感染、潰すことをすると、痛みや腫れ、化膿などの合併症が起こる可能性があります。
切開法について教えてください。
切開法とは、粉瘤の真上の皮膚を切って、粉瘤の袋と中身を丸ごと取り除く手術法です。粉瘤の袋と中身を完全に摘出することで、再発の可能性を低くします。切開法は、粉瘤の大きさや位置によっては、後述で解説する、くり抜き法(へそ抜き法)と呼ばれる別の手術法が適用できない場合に行われます。粉瘤のサイズが大きかったり、皮膚が分厚い部分にできていると、粉瘤の袋をうまく取り除けないことがあり、その場合に切開法による手術が必要になります。
切開法は、粉瘤の摘出に大きな切開を必要とするため、傷跡が残りやすいというデメリットがあります。切開した皮膚を縫合する際には、できるだけ綺麗に縫合することで、傷跡を目立たなくする工夫がされます。しかし、傷跡が完全に消えることはありません。
切開法による手術の流れを解説します。手術前には、粉瘤の部位に局所麻酔を注射します。局所麻酔は、粉瘤周囲の皮膚の感覚を一時的に麻痺させることで、手術中の痛みを軽減します。局所麻酔の注射は、少しチクッとする程度の痛みがありますが、耐えられないほどの痛みではありません。局所麻酔が効いたら、粉瘤の真上の皮膚を楕円形に切開します。切開した皮膚は、後で縫合するために一旦取り除きます。切開した皮膚の下には、粉瘤の袋が見えています。粉瘤の袋をピンセットやメスでつまんで持ち上げ、周囲の皮膚とのつながりを切り離します。粉瘤の袋は、皮膚と密着していることが多いので、丁寧に剥がしていきます。粉瘤の袋を完全に取り除けたら、中身の老廃物も一緒に取り出します。粉瘤の袋と中身を摘出したら、切開した皮膚を元の位置に戻し、縫合します。縫合には、自然に溶ける糸や、後で抜く必要のある糸が使われます。縫合の仕方には、皮膚の表面に糸が出る方法や、皮膚の下に糸が隠れる方法があります。どちらの方法も、傷跡を目立たなくするために工夫されています。縫合が終わったら、患部にガーゼを貼って手術は終了です。
手術時間は、粉瘤の大きさや位置によって異なりますが、だいたい15分から30分程度です。手術後は、ガーゼを定期的に交換し、傷口の消毒や清潔を保つことが大切です。また、入浴や飲酒、運動などは、出血や感染のリスクがあるため、抜糸まで控えるように指示されます。
くり抜き法について教えてください。
くり抜き法とは、粉瘤の中心にある小さな穴(へそと呼ばれる)から、粉瘤の袋と中身を取り出す手術法です。くり抜き法は、以下のような特徴があります。くり抜き法は、粉瘤の原因を根本的に取り除きます。粉瘤の袋と中身を完全に摘出することで、再発の可能性を低くします。
くり抜き法は、粉瘤の摘出に小さな穴を必要とするため、傷跡が残りにくいというメリットがあります。穴の大きさは、粉瘤の部位や大きさによって異なりますが、だいたい2mmから6mm程度です。穴から粉瘤の袋と中身を取り出した後は、縫合する必要がない場合もあります。縫合しなくても、傷は徐々に小さくなり、ほとんど目立たなくなります。
くり抜き法による手術の流れを解説します。手術前には、粉瘤の部位に局所麻酔を注射します。局所麻酔は、粉瘤の周囲の皮膚の感覚を一時的に麻痺させることで、手術中の痛みを軽減します。局所麻酔が効いたら、粉瘤の中心にあるへそをデルマパンチという器具でくり抜きます。デルマパンチは、円形の刃がついた器具で、皮膚を丸く切り抜きます。くり抜いた皮膚は、病理検査に送られます。くり抜いた穴から、手で圧迫して粉瘤の内容物を押し出します。内容物は、白いカスのようなもので、粉瘤の袋の中に溜まっている角質や皮脂です。内容物を取り除いたら、ピンセットやメスで粉瘤の袋をつまんで持ち上げ、周囲の皮膚とのつながりを切り離します。粉瘤の袋は、皮膚と密着していることが多いので、丁寧に剥がしていきます。粉瘤の袋を完全に取り除いたら、手術は終了です。粉瘤の袋と内容物を摘出したら、傷口を洗浄して消毒します。傷口にガーゼや絆創膏を貼って保護します。
手術時間は、粉瘤の大きさや位置によって異なりますが、だいたい5分から20分程度です。手術後は、ガーゼを定期的に交換し、傷口の消毒や清潔を保つことが大切です。

背中の粉瘤と間違えやすい病気の見分け方

背中の粉瘤と間違えやすい病気の見分け方

ニキビと粉瘤の見分け方を教えてください
ニキビと粉瘤は、背中にできることが多く、見た目が似ているため、混同されやすい病気です。しかし、ニキビと粉瘤は、発生の原因や治療法が異なりますので、正しく見分けることが重要です。ニキビと粉瘤の見分け方は、以下のポイントに注目してみましょう。
できものの表面の黒い点:
粉瘤には、皮下に袋状の組織があり、その開口部が皮膚表面に現れます。これを粉瘤の「へそ」といいます。へそは黒い点のように見える場合があり、開口部を塞いでいる老廃物などが酸化したものです。初期のニキビはこの点が白っぽいことが多いため、見分けられる場合があります。
できもののサイズ:
粉瘤は、皮膚の中に溜まっている角質や皮脂が徐々に増えるため、放置すると大きくなっていきます。粉瘤は10㎝以上の大きさになることもあり、ニキビとは明らかに異なることがあります。ニキビの大きさは1cm未満のことがほとんどです。
できものの臭い:
粉瘤は、袋の中にたまった老廃物が悪臭を放ちます。粉瘤が破れると白いカスが出てくることがありますが、そのときに強い臭いを感じることがあります。ニキビには悪臭はないため、見分けるポイントになります。
できものの動き:
粉瘤は、皮膚と密着していることが多いので、指で押すと皮膚と一緒に動きます。粉瘤は固く弾力のあるしこりで、つまめることがあります。ニキビは、毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こして赤く腫れますが、しこりのような大きさにはなりません。
背中の粉瘤と間違えやすい病気の見分け方について、ニキビと粉瘤の見分け方を以上が解説です。ニキビと粉瘤では、ニキビの治療薬で小さくなって消えることはありません。粉瘤は自分で潰したり、無理に引っ張ることはしないでください。粉瘤が気になる場合は、医師に相談してください。
おでき・イボと粉瘤の見分け方を教えてください
おでき・イボも背中にできることが多く、見た目が似ているため、混同されやすい病気です。おでき・イボと粉瘤の見分け方は、上述のニキビとの見分け方に類似しています。
できものの表面の黒い点:
粉瘤のへそは黒い点のように見える一方、おでき・イボには黒い点はありませんので、見分けるポイントになります。
できもののサイズ:
粉瘤は、1cm以上のものが多い一方、おでき・イボの大きさは1cm未満のことがほとんどです。
できものの臭い:
粉瘤には臭いがありますが、おでき・イボは悪臭はしません。
できものの動き:
粉瘤は、指で押すと皮膚と一緒に動きます。一方でおでき・イボは、毛穴や皮膚の表面にできるもので、しこりのようにつまめるほどの大きさにはなりません。また、触った時に動かないことも特徴です。
脂肪腫と粉瘤の見分け方を教えて下さい
脂肪腫とは、皮膚の下の脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。脂肪腫と粉瘤の見分け方も、上述のニキビやおでき・イボとの見分け方に類似しています。できものの表面の黒い点:
粉瘤のへそは黒い点のように見えますが、脂肪腫には黒い点はありません。
できもののサイズ:
粉瘤は放置すると大きくなり、1cm以上のものが多いです。脂肪腫の大きさは数mm程度のものから10cmを超えるものまでさまざまですが、ゆっくりと大きくなり、1㎝以上になって見つかることが多いです。
できものの臭い:
粉瘤には臭いがありますが、脂肪腫は悪臭はしません。
できものの動き:
粉瘤は、皮膚と密着していることが多いので、指で押すと皮膚と一緒に動きます。粉瘤は固く弾力のあるしこりで、つまめることがあります。脂肪腫は、周囲の組織と被膜で分離されているため、指で押すと皮膚と関係なく動きます。脂肪腫はゴムのような柔らかさがあり、つまめることがあります。

粉瘤の疑問

粉瘤の疑問

粉瘤は放置していたら治りますか?
粉瘤は、皮膚の下に袋状の組織ができて、その中に皮膚の垢や脂が溜まることによって生じる良性の腫瘍です。粉瘤は、痛みや痒みなどの症状はないとされていますが、放置して消えることはほとんどないとされています。
粉瘤は、時間経過とともに徐々に大きくなっていきます。粉瘤の大きさは個人差がありますが、10cm以上になることもあります。大きくなると、見た目が気になることや服やアクセサリーなどに引っかかることがあります。また、粉瘤は細菌感染によって炎症を起こすことがあります。炎症を起こすと、粉瘤が赤く腫れたり痛みを伴うことがあります。炎症がひどくなると、粉瘤が破裂して白いカスが出てくることもありますが、そのときに強い臭いを感じることがあります。粉瘤が炎症を起こすと、治療が必要になります。炎症を抑えるために抗生物質や抗炎症剤を使用したり、腫瘤を切開して膿を排出することがあります。炎症が落ち着いた後は、再発防止のために粉瘤を外科的に切除することが多いです。
粉瘤は悪性化しますか?
粉瘤は、放置しても悪性化することはほとんどありません。「悪性化」とは、良性の腫瘍ががんに変化することをいいます。粉瘤が悪性化する原因ははっきりと分かっていませんが、長期間の放置や炎症を繰り返すことで起こると考えられています。粉瘤が悪性化した場合、最も多いのは有棘細胞がんという皮膚がんで、次いで基底細胞がんという皮膚がんがあります。有棘細胞がんは、腫瘍部分が赤く腫れ、出血したり、悪臭がすることがあります。基底細胞がんは、黒っぽくほくろのような腫瘍で、潰瘍化することがあります。粉瘤が悪性化すると、以下のようなリスクがあります。

  • 潰瘍化する恐れがある:粉瘤が悪性化すると、皮膚が炎症を起こし潰瘍化する恐れがあります。潰瘍化とは皮膚の一部が炎症を起こし、皮下組織が露出するような状態になります。また、潰瘍化すると激しい痛みや出血を伴うことがあります。他にも感染のリスクが高まり、さらに悪化する恐れもあるため注意が必要です。
  • 激しい痛みを伴うケースがある:粉瘤が悪性化すると炎症や化膿する恐れがあり、激しい痛みに襲われることがあります。粉瘤は痛みを伴わないことが多いとされていますが、長い間放置することによって痛みが強く現れることもあります。炎症が起きると、患部は赤く腫れ、触れるだけで痛みを感じることがあります。
  • 腫瘍が急速に肥大化し、破裂の危険性がある:粉瘤は時間が経つと徐々に大きくなっていきますが、悪性に変異した場合急速に肥大化することがあります。肥大化した腫瘍は、破裂の危険性が高く注意が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで背中の粉瘤についてお伝えしてきました。
背中の粉瘤の要点をまとめると以下の通りです。

  • 背中にできた粉瘤は、切開法やくり抜き法などの手術によって治療する事が多い
  • ニキビ、おでき・イボ、脂肪腫は背中の粉瘤と間違えやすく、できものの表面の黒い点やサイズ、臭い、可動性などから見分けられる
  • 粉瘤が悪性化することはほとんどないが、放置しても消えることはないため、気になる場合は医師に相談することを推奨する

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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