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下肢静脈瘤

下肢静脈瘤になりやすい人とは?下肢静脈瘤の予防法と治療法について解説

下肢静脈瘤 なりやすい人

下肢静脈瘤は、足の血管が拡張し、足の不調を引き起こす病気です。特定のリスク要素を持つ人々は、この病気になりやすい傾向があります。本記事では、下肢静脈瘤になりやすい人について以下の点を中心にご紹介します!

  • そもそも下肢静脈瘤とは?
  • 下肢静脈瘤のリスク要素について
  • 下肢静脈瘤の治療について

下肢静脈瘤になりやすい人について理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤はどのような症状が現れますか?
下肢静脈瘤の症状は主に足に現れ、以下のような特徴があります。
  • 足のむくみやだるさ、痛み:特に立ち仕事後や夕方に足が重く感じたり、痛みが出ることがあります。
  • ふくらはぎがつりやすい:足がつる現象が頻繁に起こります。
  • 足の疲れやすさ:普段の活動で足が疲れやすくなります。
  • 足を上げると楽になる:足を高くすることで症状が軽減することがあります。
  • 血管の浮き出る:足の表面に静脈が浮き出て見えることがあります。
  • 皮膚の変化:足にかゆみや湿疹、色素沈着などの皮膚症状が現れることがあります。
  • 潰瘍や出血:重症化すると、足に潰瘍ができることもあります。

また、表面上は目立たないが「隠れ下肢静脈瘤」として機能低下が起こっている状態もあります。これには以下のような特徴があります。

  • 朝までに解消されないむくみ:特にふくらはぎだけでなく、膝裏や足首などにも現れます。
  • 肌の突っ張りや硬さ、かゆみ:足の肌が硬くなったり、かゆみを感じたりすることがあります。
  • 足のつりやすさ、左右差のあるむくみ:足がつることが多く、左右の足のむくみに差が出ることがあります。
  • 便秘や冷え、腰痛:体の不調としてこれらの症状が現れることもあります。

これらの症状がある場合は、下肢静脈瘤の可能性が高いため、早めの医療機関での相談をお勧めします。毎日の足のチェックも重要です。

下肢静脈瘤の原因を教えてください
下肢静脈瘤が発生する主な原因は、足の静脈内にある逆流を防ぐ弁が正常に機能しなくなることです。足の静脈は、ふくらはぎの筋肉の収縮(筋肉ポンプ作用)と、静脈弁の機能によって、血液を心臓へ押し上げています。静脈弁がうまく閉じないと、血液が心臓に向かってスムーズに流れなくなり、静脈内に血液が滞留するようになります。長期にわたってこの状態が続くと、静脈は徐々に拡張し、その結果、血管の壁が部分的に圧迫されて、静脈が曲がったり捻じれたりして、見た目にコブのようになります。この状態が下肢静脈瘤となります。

下肢静脈瘤になりやすい人

下肢静脈瘤になりやすい人

下肢静脈瘤は女性に多い病気ですか?
下肢静脈瘤は、女性により多く見られる傾向があります。これにはいくつかの理由が考えられます。まず、女性は筋肉量が少ないため、足の筋肉による血液循環の促進が弱まりやすいとされています。特にふくらはぎの筋肉は血液を心臓に戻すための重要な役割を担っており、「第2の心臓」とも言われますが、女性の場合、このポンプ作用が弱い可能性が指摘されています。
また、女性ホルモンにも原因があります。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、静脈壁を柔らかくさせ、これが静脈瘤を形成しやすくする要因になっています。さらに、これらのホルモンは月経周期によって分泌量が変動し、静脈弁の機能に影響を与えることも、女性が下肢静脈瘤になりやすい理由の一つです。
立ち仕事の人が下肢静脈瘤になりやすい理由を教えてください
重力の影響を直接受ける足は、特に立ち仕事をしている間、体の水分が下半身に集まりやすく、血液が足に滞りやすくなります。これにより静脈内の圧力が高まり、静脈壁や静脈弁に大きな負担がかかり、結果として静脈瘤が発生しやすくなります。
また、デスクワークのように長時間同じ姿勢でいる場合も、筋肉ポンプの働きが不十分になり、足の血管に負担がかかるため、下肢静脈瘤のリスクが高まります。したがって、立ち仕事だけでなく、長時間の座り仕事をする人も下肢静脈瘤のリスクが高まると言えます。
妊娠・出産を経験すると下肢静脈瘤になりやすいですか?
妊娠・出産を経験する女性は、下肢静脈瘤になりやすいとされています。これには複数の理由があります。
  • 血液量の増加:妊娠中、母体は赤ちゃんを育てるために血液量が大幅に増加します。これにより静脈内の圧力が高まり、特に重力の影響を受けやすい足の静脈で血液の滞留が生じやすくなります。
  • 女性ホルモンの影響:妊娠中は黄体ホルモンが増加し、血管を柔らかくさせます。このため、血管が圧力に対して弱くなり、拡張しやすくなります。これが静脈弁の機能障害を引き起こし、下肢静脈瘤を発症しやすくします。
  • 子宮の圧迫:胎児が成長するにつれて子宮が大きくなり、骨盤内の静脈を圧迫します。これにより足から心臓への血流が妨げられ、足の静脈に圧力がかかります。

妊娠中に拡張した静脈は出産後にはある程度は元に戻りますが、完全に元の状態に戻らないこともあります。特に、複数回の妊娠・出産を経験すると、下肢静脈瘤のリスクはさらに高まるといわれています。

下肢静脈瘤は遺伝しますか?
下肢静脈瘤には遺伝的要因が強く影響しているとされています。両親のどちらか一方に下肢静脈瘤がある場合、子どもが静脈瘤を発症する可能性は約40%とされています。さらに、両親のどちらも下肢静脈瘤を持っている場合には、その確率は約80%に上がるといわれています。もし両親に下肢静脈瘤がある場合は、日常的に足の状態をチェックし、予防や早期発見に努めることが重要です。

下肢静脈瘤の予防法と治療法

下肢静脈瘤の予防法と治療法

下肢静脈瘤を予防するにはどうしたらいいですか?
下肢静脈瘤の予防方法を以下に解説します。日常生活の中で取り入れてみましょう。
  • 定期的な運動:ふくらはぎの筋肉を動かすことが重要です。例えば、1時間ごとに立ち上がって歩いたり、足首や足の指を動かして血流を促進させることが効果的とされています。また、家でできる簡単なエクササイズも有効とされています。足を高く上げる動作や、ふくらはぎの筋肉を使う運動が下肢静脈瘤の予防に役立ちます。
  • 弾性ストッキングの使用:着圧ソックスや弾性ストッキングの使用も効果的とされており、静脈の圧を均等に保ち、血液の流れを助けます。適切な着用方法に従いましょう。
  • 生活習慣の改善:肥満は下肢静脈瘤のリスクを高めるため、バランスの良い食事と適度な運動による体重管理が大切です。また、長時間の立ち仕事や座り仕事では、定期的に休憩を取り、足を動かすよう心がけましょう。ハイヒールを避け、血流を妨げない快適な履物を選ぶことも重要です。

これらの対策を行うことで、下肢静脈瘤の発症リスクを減らし、既存の症状を軽減できます。ただし、これらの予防策だけに頼らず、症状がある場合は医療機関での検査や相談をお勧めします。

下肢静脈瘤の治療法を教えてください
下肢静脈瘤の治療法はさまざまで、症状の程度や患者の状態に応じて選択されます。主な治療法には以下のようなものがあります。
  • 保存的治療法:この方法は静脈瘤の進行を遅らせることを目的としており、弾性ストッキングの着用が一般的です。これにより静脈内の血液流れをサポートし、症状の悪化を防ぎます。
  • 硬化療法:静脈内に硬化剤を注入して静脈瘤を潰し、圧迫包帯を用いる方法です。硬化した静脈は時間と共に消失し、負担が少ないため、軽度の静脈瘤に適しています。
  • ストリッピング手術:機能していない静脈を手術で取り除く方法です。伏在型静脈瘤に適しており、再発率は低いですが、手術後に痛みや出血のリスクがあります。
  • 高位結紮術:足の付け根を切開し、静脈を結びつけて深部静脈から切り離す手術です。手術後の痛みや出血が少ないのが特徴です。
  • レーザー治療:血管内にカテーテルを挿入し、内側から静脈を焼いて閉塞させる方法です。体への負担が少なく、局所麻酔を使用します。
  • グルー治療:医療用接着材(グルー)を静脈内に注入して血管を閉塞させる方法です。レーザー治療と異なり熱を用いないため、痛みが少ないです。

下肢静脈瘤は自然に治ることはなく、進行する可能性があるため、症状に応じて適切な治療を行うことが重要です。治療法を決定する際には、医師との十分な相談が必要となります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで下肢静脈瘤になりやすい人についてお伝えしてきました。 下肢静脈瘤になりやすい人の要点をまとめると以下の通りです。

  • 下肢静脈瘤は、足の静脈内にある逆流を防ぐ弁が正常に機能しなくなり静脈内に血液が滞留し、静脈が曲がったり捻じれたりして、見た目にコブのようになる状態
  • 下肢静脈瘤のリスク要素は、女性、立ち仕事、出産や妊娠の経験、遺伝などがあり、これらの条件に当てはまる人は下肢静脈瘤になりやすい
  • 下肢静脈瘤の治療法はさまざまで、保存的治療法やいくつかの手術方法があるが、症状の程度や患者さんの状態に応じて選択される

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

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