新着記事

注目のトピック

下肢静脈瘤

もしかして下肢静脈瘤?放置したらどうなるの?下肢静脈瘤について徹底解説!

下肢静脈瘤 放置するとどうなる

下肢静脈瘤は、足の静脈が拡張し、捻じれたり曲がったりして表面にコブ状に浮き出る状態です。この病気を放置すると、単なる美容上の問題だけではなく、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。本記事では、下肢静脈瘤を放置するとどうなるのかについて以下の点を中心にご紹介します!

  • そもそも下肢静脈瘤とは?
  • 下肢静脈瘤が日常生活に与える影響
  • 下肢静脈瘤を放置した場合

下肢静脈瘤を放置するとどうなるのかについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤はどのような病気ですか?
下肢静脈瘤は、足の静脈が異常に拡張して瘤(こぶ)状に膨れ上がり、皮膚表面に浮き出て見える状態を指します。足の静脈内の血液は、重力に逆らって心臓に戻る必要がありますが、ふくらはぎの筋肉の収縮によるポンプ作用や静脈弁の機能障害により、静脈内に血液が滞り、静脈圧が高まります。これが静脈瘤の形成につながります。
下肢静脈瘤は、男女問わず発症しますが、特に女性に多く見られ、妊娠・出産、立ち仕事、加齢などが誘因となることがあります。また、遺伝的要素や肥満、便秘などの生活習慣病との関連も指摘されています。
下肢静脈瘤は良性の病気ですが、慢性的な症状が生活の質(QOL)を低下させるため、早期の診断と治療が重要です。また、重症化すると治療が困難になるため、症状がある場合や外見が気になる場合は、医療機関を受診することが推奨されます。下肢静脈瘤は、網目状静脈瘤、側枝静脈瘤、くも状静脈瘤、伏在静脈瘤に分類され、状態によって適切な治療方法が選択されます。
下肢静脈瘤の症状を教えてください
下肢静脈瘤は、足の静脈が異常に拡張し、皮膚表面にコブ状に浮き出る症状を特徴とします。この状態になると、以下のようなさまざまな症状が現れることがあります。

  • 足の血管が浮き出る:静脈が拡張し、皮膚表面に明らかに見えるようになります。
  • 足のだるさ:足に重だるさを感じることがあります。
  • むくみ:静脈の圧力が増加することで、足がむくみやすくなります。
  • 痛み:足に痛みを感じることがあります。
  • こむら返り:足がつるなどの筋肉の痙攣を起こすことがあります。
  • 湿疹や色素沈着:長期間にわたる静脈の拡張は皮膚に炎症を起こし、湿疹や色素沈着を引き起こすことがあります。
  • 潰瘍:重症化すると、足の皮膚に潰瘍ができることがあります。
  • 出血や皮膚の壊死:場合によっては静脈瘤が破れて出血したり、皮膚が壊死したりすることもあります。
下肢静脈瘤の原因は何ですか?
下肢静脈瘤の発生にはいくつかの要因が関与しています。主な原因としては、足の静脈内にある逆流防止弁の機能不全が挙げられます。この弁が正常に機能しなくなると、血液が足に向かって逆流し、静脈が拡張して静脈瘤が形成されます。静脈弁の機能不全に繋がる要因としては、加齢や長時間の立ち仕事、妊娠や出産、女性ホルモンの影響、遺伝などがあります。

下肢静脈瘤を放置するとどうなるのか

下肢静脈瘤を放置するとどうなるのか

下肢静脈瘤を放置したら日常生活に支障を来たしますか?
下肢静脈瘤は自然に治ることは稀で、放置すると症状は悪化することが多く、足のだるさ、むくみ、こむら返り、痛みなどの症状が日常生活に影響を与える可能性があります。例えば、足の持続的な怠さやむくみにより、普段の歩行や立ち仕事が苦痛に感じたり、こむら返りによる夜間の睡眠障害が生じたりすることもあります。これらの症状は、日中の活動や仕事の効率にも影響を及ぼし、全体的な生活の質(QOL)を低下させることがあります。
下肢静脈瘤を放置したら重篤な合併症を起こす可能性はありますか?
下肢静脈瘤を放置すると、症状は徐々に進行し、重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。初期段階では足のむくみ、だるさ、痛み、冷汗、重さなどが現れますが、これらは他の疾患の可能性もあるため、注意が必要です。症状が進行すると、皮膚から細い血管が浮き出て見える軽症の段階になります。さらに進行すると、太い血管が浮き出て瘤のようになり、色素沈着や皮膚炎が起こることがあります。重症化した下肢静脈瘤は、湿疹や皮膚硬化を引き起こし、最終的には皮膚がただれて潰瘍を形成するリスクがあります。潰瘍化した場合、治療には長い時間がかかり、改善まで数年を要することもあります。また、重症化した下肢静脈瘤は治療が困難になるため、太い血管が浮き出てくる段階での受診が推奨されます。
したがって、早期発見と治療が重要です。また、下肢静脈瘤がある場合、エコノミークラス症候群を起こしやすいとされていますが、静脈瘤の治療がエコノミークラス症候群のリスクを下げるわけではありません。
下肢静脈瘤を放置したら潰瘍になる可能性はありますか?
前述した通り、下肢静脈瘤が長期にわたって適切な治療を受けずに進行すると、重篤な合併症の一つとして潰瘍の発生が挙げられます。静脈瘤が引き起こす血流の停滞と慢性的な炎症は、足の皮膚とその下の組織に血液の供給不足をもたらし、これが潰瘍の形成につながる可能性があります。静脈瘤による潰瘍は、血流の改善なしには治りにくく、放置されると感染症を引き起こすリスクも高まり、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
潰瘍が形成された場合、傷口からの細菌感染のリスクが高まるため、速やかな医療介入が必要です。潰瘍の発生を予防し、さらなる悪化を避けるためには、下肢静脈瘤が疑われる初期段階での受診が重要です。
下肢静脈瘤を放置したら見た目に変化は起きますか?
下肢静脈瘤は放置すると、その大きさや範囲が徐々に増大する傾向にあります。この増大は、血液が静脈内で停滞し、静脈が拡張して膨らむことにより起こります。特に伏在型や側枝型の静脈瘤は、時間の経過と共に目立つようになります。その結果、足の皮膚表面に青黒く蛇行する血管が浮き出てくることがあり、この外見の変化は美容上の悩みの原因となることがあります。

下肢静脈瘤の放置に関する疑問

下肢静脈瘤の放置に関する疑問

下肢静脈瘤は放置して治る場合がありますか?
下肢静脈瘤は、一度発症すると、治療を施さない限り、自然には改善しない傾向にあります。ただし、病状が非常に軽度である場合、生活習慣の見直しや筋力トレーニングによって症状が多少改善することはあり得ます。例えば、長時間の立位作業を避け、適度な運動を取り入れる、弾性ストッキングを着用するなどの対策があります。
下肢静脈瘤自体が直接命に関わる疾患ではないものの、放置することで症状が進行し、深刻な合併症を招くリスクがあるため注意が必要です。特に、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症、肺塞栓症)などの重大な病状を引き起こす要因となることもあります。
下肢静脈瘤の症状が見られる場合、自然治癒を期待するよりも、適切な医療機関での診察と治療を受けることが推奨されます。
下肢静脈瘤を放置したら足を切断する可能性はありますか?
下肢静脈瘤は、足の切断を必要とするような極端な事態を引き起こす病状ではありません。
ただし、下肢静脈瘤が原因で血流が乱れることにより、足の皮膚や組織に栄養が行き届かなくなることで、合併症として皮膚の潰瘍などが発生する可能性はあります。下肢静脈瘤自体による足の切断リスクは低いとされていますが、静脈瘤が引き起こす他の合併症による影響は無視できません。症状がある場合は、早めに医療機関で診察を受け、必要な治療を受けることが重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで下肢静脈瘤を放置するとどうなるのかについてお伝えしてきました。 下肢静脈瘤を放置した場合についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 下肢静脈瘤は、足の静脈が異常に拡張して瘤(こぶ)状に膨れ上がり、皮膚表面に浮き出て見える状態を指す
  • 足の持続的な怠さやむくみにより、普段の歩行や立ち仕事が苦痛に感じたり、こむら返りによる夜間の睡眠障害が生じたりすることもあり、日中の活動や仕事の効率にも影響を及ぼし、見た目の問題としてもストレスを感じるなど、全体的な生活の質(QOL)を低下させることがある
  • 下肢静脈瘤を放置した場合、足の疲労感、痛み、冷感、神経障害、色素沈着や炎症、湿疹や皮膚の硬化につながり、皮膚がただれて潰瘍を形成するリスクも高まる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

記事をもっと見る

RELATED

PAGE TOP