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大腸内視鏡検査が必要な人とは?検査内容と手順についても解説!

大腸内視鏡検査が必要な人とは?検査内容と手順についても解説!

「大腸内視鏡検査」という言葉は、テレビや医療機関のポスターなどで目にする機会があるでしょう。ただ、検査の必要性や検査の流れについて問われたときに正しく回答できる方はほとんどいないかと思います。本記事では、大腸内視鏡検査の重要性をはじめ、検査の流れ、検査時に発見できる疾患、メリット・デメリット、検査のタイミング・頻度などについて詳しく解説します。

大腸内視鏡検査の検査内容

大腸内視鏡検査の検査内容 下記記事では、大腸内視鏡の検査内容・検査範囲、検査の流れ、検査前日・当日の注意事項などについてわかりやすく説明します。

大腸内視鏡検査はどのような検査ですか。
大腸内視鏡検査とは、お尻に大腸カメラを挿入し、直腸から結腸、回盲弁(大腸の入り口)の大腸全域を観察する検査です。検査中にポリープが見つかれば、その場で切除し、生検で調べることができます。切除することは、がんの有無を明らかにするだけでなく、がんの予防にもつながります。ポリープには良性と悪性があり、悪性のポリープは放置すると、がん化する恐れがあるからです。ただし、ポリープの形状や大きさによっては、大学病院や総合病院などの医療機関で専門的な検査・治療を受ける必要があります。
大腸内視鏡検査の手順について教えてください。
大腸内視鏡検査は受診当日にいきなり行うことはありません。まず医療機関を一度受診し、胃の症状や既往歴などを伝えたうえで検査日を決めるのが一般的です。なお、症状がある場合は、大腸内視鏡検査は保険適用となります。検査前日は、おなかの様子を隅々まで確認するため、21時以降の食事を控えたり、下剤を服用したりするなどいくつかのルールを守る必要があります。また、持病がある場合は、薬の服用については担当の医師に確認をとってください。検査当日も前日と同様に、食事を控え、残りの下剤を服用します。下剤の服用は、検査を受けるタイミングを見据えて行ってください。こうした流れを踏んで、大腸内視鏡検査を受けます。

大腸内視鏡検査の目的と必要性

「大腸内視鏡検査を受けることは大切だ」と言われていますが、どのような目的で検査をするかを知っているでしょうか。検査の目的や必要性について、実際の病気や症状を例に挙げながら説明します。

大腸内視鏡検査の目的は?
大腸内視鏡検査の一番の目的は、大腸がんの早期発見と治療です。また、がん化する恐れがあるポリープや、潰瘍性大腸炎やクローン病といった大腸疾患を早期治療することも大切です。おなかの痛みや便秘・下痢などの症状で困っていたり、健診で「便潜血あり」と指摘を受けたりした場合は、一人で判断せず近くの医療機関を受診しましょう。
大腸内視鏡検査ではどのような病気を発見できますか?
発見できる病気は、大腸がんをはじめ、感染性大腸炎、大腸憩室炎、過敏性腸症候群、大腸ポリープなどです。大腸のポリープは、胃のポリープと比べると、がんになりやすいとされています。しかし、大腸に何らかの症状があっても、恥ずかしさや怖いという気持ちから医療機関への受診をためらってしまう方もいます。その状態を放置し続けてしまうと、症状が悪化し、重篤な疾患を招くリスクがあります。医療機関は患者さんのニーズに合わせて、受診しやすい環境づくりに努めていますが、受診を決めるのは患者さん自身ですので、勇気を持って相談することが何よりも大切です。
大腸内視鏡検査はどんな人に必要な検査ですか?
大腸にまつわる症状がなくても、40歳を超えたら、大腸内視鏡検査を受けましょう。大腸がんやポリープは、特に目立った症状がなく、病気が進行します。また、便潜血反応があったり、親族ががんを患っていたり、薬を飲んでも大腸の症状が改善しなかったりする方は、大腸内視鏡検査を受けることを検討ください。また、「排便時に血が出る」「下痢や便秘を繰り返しておなかが痛い」「便が黒っぽく見える」「排便する回数が増えた」「残便感がある」などの症状に当てはまる方も注意が必要です。

大腸内視鏡検査のメリットとデメリット

大腸内視鏡検査のメリットとデメリット 大腸内視鏡検査のメリットやデメリットをご説明します。

大腸内視鏡検査のメリットについて教えてください。
一番のメリットは、大腸の様子を直接画面で確認することができる点です。大腸や盲腸などに気になる部位があれば、撮影することも可能です。また、エックス線検査や血液検査と異なり、ほとんどの大腸疾患はその場で診断することができるのも特徴の一つと言えるでしょう。検査時に、がんやポリープがあれば、5mm以上のものはその場で切除できるほか、速やかに生検も行うことができます。以前は、大腸内視鏡検査時に痛みを伴うことも多くありましたが、鎮静剤の登場により、ウトウトと眠ったような感覚で検査が行えるため、リラックスした状態で検査に臨めます。
大腸内視鏡検査のデメリットについて教えてください。
大腸内視鏡検査は、医師の腕が試される検査であり、エックス線検査や血液検査と比べると、技術にばらつきが出やすい検査と言えます。また、腸内は曲がった構造をしているため、挿入時に痛みを感じる場合があります。痛みが出るのは、患者さんそれぞれの腸内の広さなどにもよるため、一概に医師の腕に問題があるとは言えません。また、カメラの性能が良くなったと言っても、大腸のヒダが原因で病変を隠れてしまい、腸内の様子が見えづらく、病変を見落とすことがあります。この見落としを防ぐため、多くの医院では大腸に二酸化炭素を送り込み、死角をなくしています。また、検査前日・検査当日の食事制限を徹底し、腸内をきれいにすることも大切です。最後のデメリットは、身体への負担がかかるということです。半日空腹状態になるのに加えて、下剤を飲んで前処理をする必要があります。患者さんによって個人差はありますが、カメラ挿入時に、不快感を覚えたりおなかの張りを強く感じたりすることがあります。

大腸内視鏡検査のタイミングや頻度

検査のタイミングは、大腸の症状や生活習慣、既往歴などによって異なります。下記では、大腸内視鏡検査を受けるべきタイミングや頻度についてお伝えします。

大腸内視鏡検査は何歳から受けるべきですか?
繰り返しになりますが、40歳を超えたら検査を受けましょう。なぜなら、20代、30代の方と比べて、がんになる確率が40代になると一気に増えるからです。ただし、家族のなかに、大腸がんを患っていたり大腸がんで亡くなったりした方がいる場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。若い世代の方は、がん患者の割合が少ないですが、遺伝的要因で大腸がんを発症することがあります。
大腸内視鏡検査は毎年受ける必要がありますか?
毎年受ける必要はなく、医療機関によって、「3年から4年に一回」「4年から5年に一回」など、推奨する検査頻度は異なります。ただし、大腸ポリープや大腸がんを切除した方は、「1年から2年に一回」は検査を受けましょう。個人差もありますが、ポリープが再びでき、がん化する恐れがあるため、検査のスパンを短くしたほうが良いとされています。

編集部まとめ

最後まで本記事をご覧いただきありがとうございます。初めて大腸内視鏡検査を受ける方も、検査を検討している方も、記事を読む前よりも大腸内視鏡検査に関する知識がついたと思います。この記事を読んで、一人でも多くの方が検査を受けることに前向きになり、受診の後押しとなれれば幸いです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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