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下肢静脈瘤

下肢静脈瘤の初期症状とは?足のむくみやかゆみ、血管の異変に注意!

下肢静脈瘤の初期症状とは?足のむくみやかゆみ、血管の異変に注意!

下肢静脈瘤は日本でも多くの罹患者がいる足の病気です。軽度であれば特別急いで治療をする必要はありませんが、症状が悪化すると手術が必要になることもあります。大切なのは予防と早期発見。一見気づきにくい下肢静脈瘤の初期症状には、どのようなものがあるのでしょうか。下肢静脈瘤の基本的な情報とともに、種類ごとの特徴を解説します。下肢静脈瘤のことを知って自身に心当たりや疑いがあったら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは 日本でもよく見られる病気である下肢静脈瘤は、足の血管がこぶのように膨らんでしまう病気です。よく聞くけれど実際にはどのような病気なのか、症状が進むとどうなってしまうのか。まずは下肢静脈瘤の基本的な情報をご紹介します。

下肢静脈瘤はどんな病気ですか?
下肢静脈瘤とは足の血管が膨れてこぶのようになる病気であり、足にこぶのような血管が目立つといった見た目の問題や、だるさやむくみなどの症状が出るのが特徴です。良性の病気なので、急に悪化したり命にかかわったりすることはありません。ただし、治療せずに放置してしまうと、症状が進行して、足の皮膚の変色や、傷ができるといつまでも治らなくなってしまう皮膚潰瘍(かいよう)を引き起こす可能性があります。
下肢静脈瘤が進行するとどうなりますか?
下肢静脈瘤は、それ自体が即座に命にかかわるような病気ではありません。また、60歳前後をピークに、その後はあまり悪化しなくなるともいわれています。しかし、放置して自然に治癒することはなく、放置すると時間の経過とともに徐々に悪化していきます。さらに放置して重症化が進むと、湿疹や脂肪皮膚硬化症などのうっ滞性皮膚炎を合併する恐れがあり、さらに悪化すると潰瘍になってしまいます。最終的には歩行困難となる場合もありますので、できるだけ早めに対処することが大切です。

下肢静脈瘤の種類

下肢静脈瘤の種類

下肢静脈瘤の種類にはどんなものがありますか?
下肢静脈瘤は、それぞれ瘤ができる静脈によって4つの種類に分類されます。また、下肢静脈瘤は皮膚から静脈が大きく盛り上がる伏在型(ふくざいがた)静脈瘤と、それ以外の軽症静脈瘤に分けられます。伏在型下肢静脈瘤は、表在静脈で最も太い伏在静脈の弁不全によっておこる静脈瘤です。ボコボコした血管が浮き出ているのが特徴で、レーザー治療などで改善が見込めます。

側枝型下肢静脈瘤はボコボコとした血管は見えますが、伏在型に比べるとやや細めで範囲が狭く、症状も軽い場合が多いタイプです。

網目状下肢静脈瘤は皮膚の浅い部分にできた静脈瘤です。伏在型や側枝型の下肢静脈瘤と違って血管がボコボコしているわけではありませんが、静脈の青色が目立って浮き上がって見えるのが特徴です。

クモの巣状下肢静脈瘤はとても細い静脈が拡張してできるものです。網目状下肢静脈瘤と同様に血管は浮き上がってはおらず、クモの巣のように放射状に広がって見えるのが特徴です。

伏在下肢静脈瘤の特徴や症状について教えてください。
伏在型静脈瘤は、表在静脈で最も太い伏在静脈の弁不全によって起こる静脈瘤です。大伏在静脈瘤と小伏在静脈瘤の2種類があります。大伏在静脈瘤は、その名の通り大伏在静脈に瘤ができることを指します。そもそも大伏在静脈とは、足首の内側から大腿の付け根部分まで伸びている表在静脈であり、最も静脈瘤ができやすいとされています。この大伏在静脈本幹とその主要な分枝に弁不全が発生すると、静脈瘤となってしまいます。下腿から大腿部内側、下腿の外側、大腿部の背側に静脈瘤ができた場合は、大伏在静脈瘤の可能性が高いです。

小伏在静脈は、膝の後ろからふくらはぎにかけて伸びている静脈で、膝の裏で深部静脈に合流しています。この小伏在静脈に静脈瘤ができるのが小伏在静脈瘤であり、発症部位としては足首の後ろや膝の後ろとなります。小伏在静脈は、大伏在静脈瘤に次いで発症率が高いとされています。

側枝下肢静脈瘤の特徴や症状について教えてください。
分枝静脈瘤とも呼ばれることの多い側枝型下肢静脈瘤は、伏在静脈本幹から枝分かれした側枝の静脈が拡張して発症するタイプの静脈瘤です。伏在静脈瘤よりやや細い静脈瘤ができるのが特徴で、静脈の太さは3〜4mm程度。主に膝から下の部分で発症します。
網目状下肢静脈瘤の特徴や症状について教えてください。
網目状下肢静脈瘤は、名前の通り血管が青く網目状に見えている状態のもの。細い静脈にできる下肢静脈瘤の症状であり、皮膚のすぐ下の浅い場所で発症します。静脈の太さは1〜2mm程度で、皮膚の下から血管が浮き出てくるといった症状はありません。小さな静脈瘤ですので、注射による硬化療法にて治療します。
クモの巣状下肢静脈瘤の特徴や症状について教えてください。
網目状下肢静脈瘤よりも細い静脈瘤がクモの巣状に広がって見えるのが、クモの巣状下肢静脈瘤です。静脈の太さは1mm以下で、毛細血管が拡張した赤紫のタイプ、細静脈が拡張した青白いタイプに分けられます。静脈瘤としては軽度であり、ほとんど自覚症状を感じることがありません。また、ほかの症状が現れない限り、特に治療を必要とはしません。

下肢静脈瘤の初期症状

下肢静脈瘤の初期症状について教えてください。
下肢静脈瘤の初期症状は、足の血管がボコボコしていたり、足の血管が網目状に浮き出てるといった特徴があります。ただし血管も少し浮き出る程度であるため、自分では気づかないこともあります。血管が浮き出る以前から足のむくみやだるさ、足がつるといった症状も起こるので、心当たりがある人は注意してください。
下肢静脈瘤になりやすい人の特徴はどんなものですか?
下肢静脈瘤の症状が現れやすいのは、元々静脈の弁が脆いといった遺伝によってなりやすい方、女性では特に妊娠・出産経験のある方、立ち仕事・座り仕事など長時間同じ姿勢を継続することが多い方、肥満の方、高齢者などが挙げられます。・女性
下肢静脈瘤は、男性よりも女性の方が発症しやすい傾向にあります。成人女性の20〜25%が発症するといわれており、妊娠・出産によってさらにリスクが上がります。

・立ち仕事・座り仕事
立ったまま・座ったままなど同じ姿勢で動くことが少ない場合は、下肢静脈瘤になりやすいです。

・肥満
肥満の場合は体重が重いので足にかかる負担が大きくなり、これにより静脈瘤ができやすくなります。

・高齢者
加齢とともに血管が弱まり、逆流を防止するための弁が壊れやすくなることから、下肢静脈瘤は加齢とともに発症リスクが高くなります。また、女性ホルモンの低下も発症の原因になると考えられています。

下肢静脈瘤の検査方法

下肢静脈瘤の検査方法 下肢静脈瘤はなかなか自分では気づきにくい病気です。気になる点がある場合は、一度医療機関を受診することをおすすめします。

自分で下肢静脈瘤かどうかを判断する方法はありますか?
下肢静脈瘤かどうか、自分で判断する方法はありません。ただし、血管が浮き出ているといった見た目の変化に気づくことはできるでしょう。また、先述の通り足のむくみやだるさといった初期症状もあります。こうした足の変化に気づいた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。下肢静脈瘤は血管の病気になりますので、基本的には血管外科が専門診療科です。しかし、日本国内において血管外科を掲げてるクリニックや病院はそう多くありません。医療機関によっては皮膚科や形成外科で下肢静脈瘤を診察しているところもありますし、下肢静脈瘤を専門に扱うクリニックも増えてきています。ホームページなどの情報をもとに、その医療機関が下肢静脈瘤の診察・治療に対応しているか、実績があるかどうかを事前に確認しておきましょう。

また、下肢静脈瘤の検査は一般的にエコー(超音波)検査で行います。

病院で行うエコー(超音波)検査とはどのようなものですか?
下肢静脈瘤の検査は、下肢静脈にエコー当てて血栓を探るものとなります。超音波検査によって、どこの静脈にどの程度の逆流があるかを調べ、治療の必要性やその方法を判断することができます。検査は通常立った状態で行い、下肢にゼリーを塗って超音波発信器(プローブ)を軽く当てるだけ。検査において痛みはありません。また、ふくらはぎを揉んで、逆流の有無を確認します。 検査時間は患者の状態などによって異なりますが、片足で10分程度です。

編集部まとめ

下肢静脈瘤は見た目の違和感から始まり、症状が進むと足のむくみやかゆみ、さらには皮膚の着色や炎症が発生します。重症化させないために大切なのは、早期発見と早めの対策です。初期症状は小さな見た目の変化のみである場合も多く、自分ではなかなか気づきにくいものです。下肢静脈瘤になりやすい特徴に該当している方は、特に気になる点などがあれば一度医療機関を受診することをおすすめします。

参考文献

この記事の監修歯科医師
眞鍋 憲正医師(UT Austin)

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座 博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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